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成都外国語学校との姉妹校提携文書調印式を挙行

2018年11月22日(木)、成都外国語学校において学校法人三重高等学校と成都外国語学校の姉妹校提携文書の調印式が行われました。調印に先立ち成都外国語学校の龚智发校長より学校の特徴や説明があり、続いて学校法人三重高等学校の梅村光久理事長から三重中学、三重高等学校の建学から今日に至る歴史、教育の理念、教育実績などについて説明がなされました。引き続き、穏やかな雰囲気の中で、日本語と中国語で書かれた提携合意文書に龚校長と梅村理事長がそれぞれ署名し、今後の交流を約束する固い握手が交わされました。姉妹校提携を記念して、成都外国語学校からは四川省を代表する蜀江錦の工芸品が、また、三重高校からは赤富士が描かれた蒔絵の漆工芸品が贈られました。

この提携は、日中両国の将来を担う若者たちが教科学習の域を超え、直接交流することにより、お互いの理解と友好に役立てることを目的とするものです。同時に、両校の教職員と生徒が交流を通じて相互に文化的、言語的理解を深め、両校の発展と生徒の成長を願う提携です。

本校は2015年より3年間、成都外国語学校の生徒を長期留学生として迎えてきました。どの生徒もたいへん優秀な生徒であり、学習に向かう姿勢は模範となるものでした。また、本校の教員や生徒との交流にも意欲的であり、両校、両国の相互理解に寄与するものでした。また、本年2月には成都外国語学校の日本語の先生と日本語専攻の生徒に短期の訪問を受けました。短期の訪問ながら、生徒たちは日本の生活や習慣などを体験し、お互いが多くを学ぶ貴重な機会となりました。
 これまでの交流を通じ、両校がお互いに理解を深めた結果、本校の教育が高く評価され、成都外国語学校から姉妹校提携の提案をいただきました。

成都外国語学校の紹介

成都外国語学校は中国の西南部の四川省成都市にあります。成都市は四川省の省都として近年目覚ましい発展を遂げ、政治、経済、文化の中心地です。成都市の人口は東京都より200万人以上多く、1607万人を超えています。成都市は「魏・呉・蜀」の三国志の時代からその豊かさを知られ、三国志の中心人物として知られる劉備玄徳により蜀の都として建てられました。豊かな成都平原の中にあって古くから「天府の国(天国)」と呼ばれてきました。内陸部にありながら気候はたいへん温暖で、冬でも氷点下になることはなく、日本のように北風が吹くこともありません。夏は最高気温が30度程度と過ごしやすいところです。

成都外国語学校は1989年開学し、歴史は浅いのですが、教育実績に大きな信頼を得ています。四川省教育庁の許可を得て成都市教育局が管理する私立高校です。本校と同じように中高六年一貫制で、全生徒数は5000人を越え、教職員数は750人を超える大規模校です。入学試験には毎年約1万人の受験者が集まります。ほぼ全員が敷地内の寮で生活しており、一日の授業と自習は朝6時半から始まり、途中2時間の昼休みを挟み、夜10時頃まで続きます。国の方針により授業の理系科目が多く、他の国と比べ授業数が圧倒的に多いので、数学と理科の授業進度は驚くほど早く、レベルが高いのが特徴です。学習内容にやや違いがありますが、日本の高校生が学習する内容は高校1年生半ばでほぼ終了すると言っても過言ではありません。高校2年生以降の数学の授業では、日本の大学で扱う内容も学習範囲に含まれ、本校に留学した生徒が口を揃えて「日本で習う理科、数学は中国で学習を済ませました」というのもカリキュラムを見ると納得できます。

国を代表する教育レベルの高さを誇る学校ですが、校名のとおり特に外国語教育に定評があり、英語の他、フランス語、ドイツ語、日本語を外国語教育の対象科目としています。どの生徒も語学力がたいへん優れており、母国語の中国語も含め3か国語に堪能な生徒が珍しくありません。成都外国語学校は四川省第一の進学重点校であるばかりでなく、中国全土から選ばれた16の重点高校の1つです。多くの優秀な学生を輩出しており、北京大学・清華大学などを含む全国の国家重点大学に特別推薦で生徒を送ることができる学校です。

海外の大学に進学する生徒も多く、毎年約30%の生徒が海外の大学に正規留学で進学しています。留学する生徒の中には、オックスフォード大学やケンブリッジ大学などの有名大学に進む生徒もいます。中にはハーバード大学やケンブリッジ大学などの有名大学に学費免除で入学する学生もいます。ハーバード大学に中国で初めて合格した生徒は成都外国語学校の卒業生であり、中国全土に校名が知られるきっかけとなりました。

日本の大学に進学する生徒も珍しくありません。本校で学んだ生徒の中には現在東京大学理科2類で学んでいる学生もいます。早稲田大学の8つの学部に学校推薦で入学させることができる中国の7つの学校のうちの1つでもあります。

(文・秦 雅文 写真・成都外国語学校より提供)